28部屋目:東野圭吾をオススメしたい
こんばんは、ゆーりんちーです。
私は昔から本が好きでして、その時々で熱に大小はあれど、空き時間や移動時間に読んでいることが多いです。
その内容は様々で、小説やビジネス書、ブルーバックス等興味があるものは何でも読むようにしています。最近はライトノベルが多いですね。
そんな私ですが、「好きな小説家は?」という質問に対しては必ず「東野圭吾さんです」と答えています。それくらい東野圭吾さんの小説が好きで、読んだ量も間違いなく1番多いです。
東野圭吾という名前はほとんどの方が知っているでしょうし、作品を読んだことがある人も多いと思います。ですが、例えばガリレオシリーズに終始していたり、有名どころを数冊読んだだけで終わっている人が大半なのではないでしょうか。
今回は、そんな方々に私が是非とも読んで欲しい作品を紹介しようという記事です。有名なものから聞いたことがないであろうものまで幅は広いですが、どれも面白いので気になったものがあれば手に取ってみて下さい。
作風
具体的な作品を出す前に、東野圭吾さんの作風を少し紹介させてください。やはりミステリーが有名でしょうか。
この人のミステリーの進め方は少し特徴があって、なんというか種を蒔いているような感じなのです。3種類くらいの種を。赤・青・黄、一見なんの関係もない3つの種を、同じ場所に蒔く。「なんでそんなことするんだろう?」そんなふうに思いながらも水をあげる。すると、芽が出てくる。なお世話をしていると、ふと気がつく。「ん?なんか近づいてる?」と。茎が他の2つに寄っていき、葉が触れ合い、ツタが絡む。いつの間にか1本の幹になり、大きな木へと成長する。
もっとわかりやすく言うのなら、別々のスタートから始まった3つ物語が、1つのゴールに向かって進んでいるようなイメージでしょうか。
これにより、全てが繋がったような感覚から得られる読後感は素晴らしいものです。
もちろん全作品がこの進め方に該当するわけではないのですが、当てはまるものは多いです。
この手法は別に東野圭吾さんの専売特許というわけではありません。他の作家さんも普通に使っているはずです。
なんで私は東野圭吾さんの作品が好きなのでしょうか。うーん、改めて考えると難しいですね。
たぶん、この人の文章は非常に読みやすいです。これに関しては多くの同意を得られるはず。長い文章を読むわけですから、やっぱり変な文章や難しすぎる表現は読む意欲を削いでしまいますよね。その点この人の文章は読んでいて安心感が凄いです。そういう意味でも多くの方にオススメできます。
さて、そろそろ具体的な作品の紹介に移りましょう。いくつか挙げますが、ランキング形式ではないのでご理解ください。
作品
悪意
私が東野圭吾さんで1番好きな作品であり、オススメを聞かれたら真っ先に答えるのもこれです。
ではどのあたりが良いのかという話なのですが……なんと忘れました。
というのも、この作品は中学か高校のときに1度読んだきりなんですよね。ただ、そのときに「めっっっちゃ面白い!!」と思った記憶とその衝撃のみが胸に焼き付いていて、いまだにこれを超えるものが出てこないのです。実際のところ、年を重ねた今改めて読んだときにどのような印象を抱くかはわからないのですが、ハマった作品であることには違いありません。近いうちに私ももう1度買って読みます。
容疑者Xの献身
今回紹介する中でおそらく1番知名度が高い作品です。福山雅治さんと柴咲コウさんの主演で映画化もされているので、そっちを観たことがある人は多いのではないでしょうか。私も観ました。めちゃくちゃ面白いですよね。
この作品の見所を一言で表すとしたら、
「天才vs天才」
これにつきます。物理学准教授である湯川と数学教師の石神の頭脳バトルには目を見張ります。しかしそれだけではない。その頭脳と対比して描かれる、変人だからこそより真っ直ぐに向かってくるあまりにも深いその想いや心こそ、最も注目するべきところでしょう。ゆえに"献身"。
ミステリーが好きなら是非読んで欲しい1冊です。
映画観たからいいや~なんて言わないで。確かにストーリーは同じですが、原作と映画では大きく違う点が1つあります。映画で柴咲コウさんが演じていた"内海"ですが、そもそも原作には登場しません。このキャラは後に原作でも登場しますが、元々はテレビドラマ版のオリジナルキャラなのです。そういう意味でも、新鮮な感覚で作品を楽しめると思います。だから読んで。
白夜行
分厚い。おそらく本屋で見て最初に抱く感想がそれです。ホライゾンほどじゃない。ですが、それだけ内容も重く深いものになっています。
これもたしかドラマ化映画化されていたので、名前を聞いたことがある人はいるかもしれませんね。映像化の方はあまり評判がよくないようですが…
この作品は、亮司と雪穂という2人の人生を描いたミステリー?ものです。ある1つの殺人事件、そこを転機として歯車が狂ってしまった2人の数奇な人生が描かれています。詳しくは書けませんが、とても哀しい。とてつもなく切ない。
この厚さは必要不可欠な厚さです。2人の人生を描くには、あれだけの量が必要なのです。ですが、その世界にハマってしまった人には一瞬に感じられるでしょう。それだけ人を惹きつける作品になっています。皆さんにもこの世界観を是非感じて欲しい。
そして、この作品を面白いと感じた人は同作者の「幻夜」も読みましょう。似たような世界観の作品です。これも面白いですよ。
どちらかが彼女を殺した
これは上で紹介した「悪意」と同じく"加賀恭一郎シリーズ"というものに属します。
この作品の大きな特徴は、なんと最後まで犯人が断定されないことです。それは犯人捜しをしていないとか、犯人が特定できないようになっているとかそういうわけではありません。よくミステリーの最後に存在する、謎解き編の最後の最後がカットされているのです。なんということでしょう。
簡単に言うと、「この本を読んだな?色々推理の材料は与えたぞ?あとはお前らで犯人を当ててみろよ」ということです。斬新ですね。
実際ちゃんと犯人を導けるようにはなっており、ネットでちょっと調べれば推理の過程が出てきます(読んでないなら絶対調べないで)。
そんなので面白いの?と思う方もいるかもしれません。確かに、読み終わりと同時にスッキリさせたい方に少しあれかも。それでも、物語としては非常によく練られています。面白いです。特に加賀による最後の謎解きパートは見ものですよ。まあ最後の最後で切れるわけですが。
読みながら犯人を推理するもよし、読み終わった後に改めて読み返しながら推理するもよし、ネットで調べて納得するもよし。その楽しみ方は人それぞれ。
この手法が合うかどうかは個人差があるでしょうが、それでも私はオススメです。
もしこの作品が気に入ったなら、同じ手法を使った「私が彼を殺した」という作品もオススメですよ。
ちなみに、推理難易度は個人的に「どちらかが彼女を殺した」>「私が彼を殺した」です。後者は自分の力だけで犯人がわかりましたが、前者は当時わからなくて調べた記憶。
変身
脳の移植手術を受けた青年の話です。簡単に言うと、移植手術を受けた影響により、性格や趣向といったものが徐々にドナーのものに寄っていくというもの。
少しずつ本来の自分が失われていく恐怖。自分のものとは思えない人格に対する戸惑い。そういったものがよく描かれています。
この作品はミステリーではありません。それでも印象に残っているので紹介しました。私は好き。
番外編
天使の耳
この作品は短編集です。実は私、東野圭吾さんに限らず短編集ってあんまり好きじゃないんですよね。私が小説に求めているものが、1冊を通して紡がれる重厚なストーリーだからでしょうか。短編は、純粋にその短さゆえに絶対的な厚みの限界があります。1つの物語として成立させようとしたとき、その長さというのは紡げるストーリーの幅に直結します。長い作品というのは、その大きな幅を使って良くも悪くもなれるのです。そういう意味で、短編は良くするのに限界を感じてしまうことが多かったのですが、この本に収録されている同名の『天使の耳』という短編は、私がとても良いと感じた作品でした。
正直収録されている他の短編は全く印象にないのですが、この『天使の耳』という短編だけは読んで欲しいですね。
以上です。5+1作品を紹介しました。
ちなみに今は、「夢幻花」という作品を読んでいます。まだ途中ですが面白いですよ~。あ、数えてみたところ東野圭吾さんの作品は49個読んでいましたね。記憶が曖昧なところもあるので、実際の数は1~2個くらい前後しそう。
今回挙げたものはどれもオススメですので、本が好きな方や何を読むか迷っている方の参考になれば幸いです。