43部屋目:『妹さえいればいい。』が完結した
私が好きなライトノベルである『妹さえいればいい。』が完結を迎えた。
思い入れのある作品でもあるので、記念に紹介もかねて振り返ってみようと思う。
私がこの作品に出会ったのはテレビアニメだった。2017年の秋アニメだ。
現在は定額配信サービスにほとんど存在していないので気軽に薦められないのだが、当時観ていた私は、その後迷わず原作に手を出した。
さて、アニメのOP主題歌には、『妹さえいればいい。』という作品を象徴するフレーズが含まれている。
誰も主人公だって誰かが言ってた
最終巻まで読んだ上で改めてこの曲を聴くと、このフレーズに限らずもう全編が『妹さえいればいい。』という作品そのものだということがわかる。
だが、それを書き始めるとちょっと道を外れるのでここまでに。
『妹さえいればいい。』の主題は常に一貫している。
「主人公になりたい」
この作品は青春ラブコメ群像劇である。
登場人物たちが時に悩み、そしてもがきながらも人生を歩んでいく。
生きていれば、誰しも悩むのではないだろうか。
将来はこんな職業に就きたい。こんな人間になりたい。好きなあの人と付き合いたい。結婚したい。
だが、得てしてそれらは一筋縄ではいかない。
進みたい道には大きな壁が立ちはだかるし、好きなあの人は自分のことを好きじゃない。欲しい才能は自分じゃない近くの誰かが持っているし、やっと叶えた夢は想像していたものとは違ったりする。
だけど、やっぱり掴みとりたいじゃないか。1度きりの人生、自分自身の人生なんだ。
あの日夢見た自分になりたい。大好きなあの人と一緒になりたい。
やっぱり自分の力で、自分の望んだ未来を手に入れたいんだよ。
もちろん全てが叶うなんて甘いことは言わない。それでも、本気で手を伸ばして、伸ばして、それでも無理だったなら、綺麗に諦めがつくかもしれない。
全力で自分の人生を生きる。心から納得できる人生を歩む。他の人からどう思われたっていい。
ただ、自分で自分を「主人公」だと呼べる生き方をしたい。それだけなんだ。
作中の登場人物たちの姿が、当時似たような悩みを抱えていた私にクリティカルヒットしてしまった。
新刊の発売日を迎えるたびに書店へと向かい、物語に没頭した。そして、元気を貰った。
彼らを見ていると、「自分も頑張ろう」と思える。
だってさ、やっぱり俺も主人公になりてえもん。
この作品は、間違いなく私の夢を見つける、それを目指すきっかけの1つになった。
やっぱりさ、なりたい自分になりたいよ。
少し話が変わるが、最終巻の人物紹介を見て欲しい。(1番下はネタバレにもなるのでモザイク)
ちなみに、1巻はこちら。
これを見たとき、「ああ……終わるんだなあ……」という実感が湧いてきて、胸に来るものがあった。みんな、主人公になれたんだなって。
なんか色々書いた気もするけど、1番言いたいのは
「平坂先生素晴らしい作品をありがとうございました」
ということ。
この記事をきっかけに、『妹さえいればいい。』に手を出してくれる人が増えたら嬉しい。
この作品は良くも悪くも「ラノベっぽい」文章だと思う。肌色も多いし。
普段から硬派な文学作品に慣れている人にいきなり読ませるのは少し気が引けるが、私は大好きだ。みんなも読んで。
以上、完結おめでとうございました。
P.S.
アニメのOPとEDがこういう形で回収されるとは。
アニメから入った私としては、結構嬉しかったり。
まさか最終巻でアニメのOPとEDが回収されるとは思っていなかったよ