ゆうりん家

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3部屋目:「HAPPY PARTY TRAIN」と「SKY JOURNEY」の物語

こんばんは,ゆーりんちーです.

 

今回はHAPPY PARTY TRAIN」と「SKY JOURNEY」の繋がりについて考える記事となっております.

もし下の記事を読んでない方がいらっしゃいましたら,先にお読みいただけると助かります.

 

yurinti.hatenablog.com

 

それではスタート.

2017年4月5日に発売されたAqours 3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」ですが,カップリング曲に「SKY JOURNEY」という曲があります.

 

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ライブやwebラジオの中で,この「SKY JOURNEY」が「HAPPY PARTY TRAIN」の続きであることが明言されました.

これには驚きました.

正直,言われなかったら気がつかなかったと思います.

 

この事実について,何らかの考えを巡らせた方も多いのではないのでしょうか.

私もちゃんと考えたかったのですが,なかなか時間を取れませんでした.

そのため今回,記事を書くという口実の下それに手を出しました.

 

さて,考察の方向性についてですが,

先の記事でも述べた通り,物語の考察です.

HAPPY PARTY TRAIN」と「SKY JOURNEY」の2曲について,物語としての関係や繋がりを考えていきます.

 

早速ですが,私が歌詞を見て思い浮かべた物語を簡単なss形式でご覧ください.

個人的な趣味で,時系列を混ぜています.

HAPPY PARTY TRAIN」と「SKY JOURNEY」が交互に書かれていることをご理解ください.

 

もし可能であれば,複窓で2曲の歌詞と見比べながら読んでいただけるとわかりやすいかと.

もしくは.先に2曲の歌詞を読んでからがいいかもしれません.

文字数は約1800です.それではどうぞ.

 

「次はどこへ行こうか」

 

この町に来てから随分と時間が経ってしまった

 

そろそろ次の場所へと向かわなければ

 

ここも良い場所だった

 

温かい人々 美しい景色 数多くのときめきをもらった

 

だがもうさよならだ

 

次はどんなときめきが待っているのだろう

 

「……ふふっ」

 

思わず笑みがこぼれてしまう 足取りも軽い

 

今までの思い出はきっと私の財産になる

 

この道はどこへと続いているのだろうか

 

きっとどこということもないのだろう どこにだって続いている

 

「いいねえ……ワクワクする」

 

期待と希望を胸に,私は足を踏み出した

 

―――――――――――

――――――――

―――――

 

「どこから来たの?」

 

ここに人が来たのなんていつ以来だろう

 

少なくとも記憶にはない

 

「……いや,それ答えになってないから」

 

きっとこことは全然違う場所なのだろう

 

もっと綺麗で もっと温かくて もっと…

 

…そんな場所があるのだろうか

 

ここしか知らない僕には何とも信じがたい

 

「どうしてそんな顔をするの?」

 

わからない わからない

 

笑っているのに どこか寂しげで

 

楽しそうに歌うのに なぜか切なげで

 

わからない 僕にはわからない

 

わからないよ…

 

―――――――――――

――――――――

―――――

 

「さて,どっちに進んだものか」

 

目の前には分かれ道 行き先を示す看板なんか無い

 

何か目印があるわけでもない 民家も見えない

 

「……どっちでもいいか」

 

どうせ目的地などあるわけではないのだ

 

選んだところで意味などない

 

それに,どちらを選んでもきっと素晴らしい世界が広がっている

 

期待で胸が躍る 

 

「ん?」

 

今なにか聞こえたような…気のせいか

 

さあ進もう いったい何が私を待っているのだろう 楽しみだ

 

―――――――――――

――――――――

―――――

 

どうしてそんな風に語れるのだろう

 

なんとかなるかどうかなんて わからないじゃないか

 

それに,僕はそんなもの持っていない 

 

「僕も旅に出れば,君みたいな勇気が手に入るかな」

 

確かに手に入るのかもしれない だけど だけど

 

「……旅か」

 

きっと僕は決断できないのだろう いつもそうだ

 

迷って 迷って 迷って

 

そして結局は何も変えられないのだ

 

―――――――――――

――――――――

―――――

 

あの町はよかった

 

水平線から昇る朝日は,青い海を白く照らしていた

 

あの村もよかった

 

地平線に沈む夕日は,緑の山を赤く燃やしていた

 

でもまだだ まだ足りない もっとあるはずだ

 

きっとまだ見ぬ素晴らしい夜明けがある

 

きっとまだ知らぬ切ない夕焼けがある

 

「……今どのあたりにいるんだろ」

 

そりゃあ,楽しくないことだってあった 辛いことだってあった

 

これだけ旅をしているのだ 当然だろう

 

でも気にしない 気にしちゃいけない

 

私はそんなことのために歩いているわけではない

 

笑おう

 

いいではないか それが人生だ

 

「……はあ」

 

終わらない旅を想いながら 私は今日も歩みを止めないのだった

 

―――――――――――

――――――――

―――――

 

「どこを目指すの?」

 

君はそっと空を指さす

 

きっと目的地など無いのだろう

 

君はどんな場所を渡ってきたのか どんな場所を求めているのか

 

知りたい 

 

外にはどんな世界が広がっているのか

 

話したい 教えてほしい

 

こんな気持ちは初めてだ 心臓が跳ねて治まらない

 

「もう行っちゃうの?」

 

振りむいた君は何も言わなかったけれど 僕にはわかる

 

「……そんな顔,僕にはできないよ」

 

僕はただ,その眩しさを羨むことしかできない

 

―――――――――――

――――――――

―――――

 

「……ねえ」

 

「ん?」

 

「ひとりで寂しくないの」

 

「寂しくないよ」

 

「どうして?」

 

「私はひとりじゃないから」

 

「……?」

 

「君にもいつかわかるよ」

 

「私も最初はわからなかったから」

 

「……そっか」

 

「さて,そろそろ行こうかな」

 

「待って」

 

「お願いがあるの」

 

「お願い?」

 

「うん」

 

「あのね,君はこれからいろんな人に会うでしょ?」

 

「そのとき,旅の話をみんなに聞かせてあげて欲しい」

 

「旅の話を?」

 

「僕,君の話を聞いて胸が熱くなったんだ」

 

「君の勇気が伝わってきたのかな」

 

「きっと他の人もそうだと思う」

 

「だからさ,みんなに君の熱い想いを分けてあげて欲しい」

 

「……わかった,任せて」

 

「それくらいならいくらだってやるよ」

 

「……ありがとう」

 

「また,会えるかな?」

 

「それはわからない」

 

「それが旅ってものだからね」

 

「……それもそうだね」フフッ

 

「じゃあ気をつけて」

 

「うん,またね」

 

私は振り返らない 僕も見送らない

 

2人の熱い瞳は 既にその先を見ていた

 

 

いかがでしょうか.

名前をつけるのであれば

 

「旅する私と,旅を知らない僕の物語」

 

この2曲の関係,「続き」という表現から時系列としては

HAPPY PARTY TRAIN」⇒「SKY JOURNEY」

というのはほぼ間違いないでしょう.

 

それに加えて私は,視点の変化を感じました.

HAPPY PARTY TRAIN」は旅をする"私"の物語

「SKY JOURNEY」は,その旅の途中に出会った"僕"の物語

"旅"という物語を2つの視点からそれぞれの曲にしているのです.

 

 

1度分けて整理してみましょう.

まずはHAPPY PARTY TRAIN」の主人公である"私"

 

"私"は旅人です.

明確な目的地を定めることなく放浪する旅人.

 

しかし目的がないわけではない.

"私"は求めているのです,「新しいときめき」を.

 

ここでの「新しい」とは単に『時系列が新しい』という意味ではなく,『まだ出会っていない』という意味です.

つまり"私"は旅の中で幾度も「ときめき」に出会ってきたが,それで満足するではなく,まだ見ぬ「ときめき」をさらに追い求めています.

 

1番では一貫して,"私"の旅に対するワクワクのような正の感情を表現する詞になっていることがわかりますね.

 

2番に入ると,「夜明け」や「夕焼け」のように具体的なものを求めている様子が描かれます.

それぞれにつく「素晴らしい」や「切ない」のような形容詞から考えても,これは「ときめき」の一例と考えて差し支えないでしょう.

 

そして突然語られる「ちいさなこと」.

「気にしない」「笑顔でいたい」「ためいき」という言葉とともに,ここでは"私"の旅に対する負の感情を表現しています.

 

 

ここまでを整理すると,

HAPPY PARTY TRAIN」は旅をしてきた"私"の感情や経験を詰め込んだ曲

ときには嫌な経験をしながらも,旅を続ける"私"の熱さや思いを謳った曲です.

 

 

はて,「TRAIN」は一体どこにいったのでしょうか.

私はこの曲を,『"私"が「TRAIN」に乗って旅をする物語』ではなく

『"私"を「TRAIN」に見立てて旅をする物語』と解釈しました.

 

つまり,『私=TRAIN』なのです.

"私"というTRAINに,今まで出会った人たちとの

思い出やときめき,勇気や熱さなどが"乗客"として乗っているのです.

「意外なひと」というのも,そういった"乗客"の中の何かなのではないでしょうか.

 

…まあ,「私=TRAIN」まで言うのは少し無理やり感があるのですが,今までの出逢いや経験が自分の中に残っている(乗っている)というのは間違っていないのではないかと.

 

 

以上が「HAPPY PARTY TRAIN」の物語でした.

次に「SKY JOURNEY」の物語へと移ります.

 

この曲の主人公は"僕"

 "僕"がいる場所に"私"が訪れるところから物語は始まります

 

「SKY JOURNEY」のメインは"僕"と"私"のやりとり,そしてその最中における"僕"の心情です.

 

灰色の世界に住む"僕"は,突如現れた"私"の色に目を奪われた

ひと目見ただけでわかる自らとの違い.

明らかに自分とは別世界の住人だと感じたはずです.

 

"私"のことを知りたいと感じた"僕"は,いくつかの問いを投げかけます.

 

「どこから来たの?」「どこを目指すの?」

 

しかし,明確な答えは返ってきません.

 それでも,見せる笑顔やため息からそれを暗に察します.

そして,"私"は語るのです.

 

「胸に確かなものを持ってたらそれだけでなんとかなる」

「夢叶えたいからいつでもあきらめないことが大事」

 

でも"僕"にはわかりません

その自信がどこから来るのか.その熱さがどこから来るのか.

 

余りにも眩しい"私"を見て,"僕"は少し戸惑いや迷いを感じてしまいます.

だがそれ以上に感化されて,"僕"の中にも灯る勇気の火

 

ついに"私"が立ち去るとき,"僕"は1つお願いをします.

その熱さを他の人にも伝えて欲しいと.

 

きっとそれで,世界は色鮮やかになるから

 

 

ここまでを整理すると,

「SKY JOURNEY」は"私"に出会うことで変わっていく"僕"の心情を詰めた曲

灰色の世界に暮らしていた"僕"は,想いの火を受け取ることで世界が色づくのを感じます.

 

そして気がつく空の青さ.

閉じた世界から広がる空に飛び立つきっかけを得た"僕"の物語

これこそが「SKY JOURNEY」なのではないでしょうか.

 

 

以上が,「HAPPY PARTY TRAIN」と「SKY JOURNEY」に対する私の解釈です.

「旅」こそがこの2曲のメインテーマ

この「旅」とは"私"の歩いてきた「道」であり,これから進む「未知」であり,"僕"の「飛び立ち」でもあるのです.

 

 

皆さんの考察や解釈と比較してみていかがでしたか?

異なる考えがある方は,是非今度お話しましょう.

 

 

ここまでお読みいただきありがとうございました.

 

 

(本記事内の画像の著作権は全てプロジェクトラブライブに帰属します)